Home ブログそだてるガーデニング 種採り(自家採種)の仕方

種採り(自家採種)の仕方

by Mariko Benson

自家採種って、聞いたことがありますか?毎年種屋さんから種を買うのではなく、自分で種を採ること。ほとんどの野菜から、自分で種を採り、次の年に蒔くことができます。種採りは安上がりなだけでなく、自分の土地に合った野菜づくりには欠かせません。こんな世の中だからこそ、誰にも依存しない種採り技術は必修科目!

F1品種とは

種を買うとき、よく目にするのが、F1(エフワン)品種というもの。知恵蔵(コトバンク)によると、F1品種とは、「異なる系統や品種の親を交配して得られる作物や家畜の優良品種のこと」。優良品種というのなら、優れているのだから、いいはず?現在の日本のほとんどの市販野菜はF1品種らしい。

さらには、「子を生ませる必要のない、食肉用のブタやニワトリなどでもF1品種が飼育されている。イネなどの作物では、花の中に雄しべと雌しべが同居(自殖性)していて雑種を得るための交雑が容易でないため、花粉を作らない雄性不稔品種が開発されている。」という説明も(知恵蔵からの引用の続き)。

ここまで読むと、だんだん怖くなってくるのは私だけ?

どんな理由(市場とか、利便性とか)があるにせよ、動物(ブタやニワトリ)でも、植物でも、異なる性質の親株を人工的にかけ合わせて、次世代を作れない身体を作ってしまうのは、遺伝子組み換え同様、倫理上正しいことなのだろうか、という疑問がわきます。

F1品種に対し、在来種は、ある地方の風土に適し、その地方で長年栽培されているもの。自分で食べるのなら、私はできるだけ、在来種のようないのちをつなげるような、代々伝わってきた種からの野菜が食べたいなあと思います。そして、自分が種を採っては野菜を育て、また種を採っては植えていくという、世代つなぎの一部になれたら、なお嬉しい。

そしてなんといっても、種採りは、簡単で楽しいのです。一旦始めるとハマりますよ。皆さんも是非!

自家採種の仕方

どんな植物でも、基本的には同様の方法で種を採ることができます。

流れとしては、「成長(成熟)させる→乾燥→種を採る」だけ。今回は私もよく採る種の種類について、初心者の方でもできるものだけ紹介します!

葉っぱ類(レタス、ケール、水菜、からし菜、ルッコラ)、根菜類(ニンジン、大根、カブ、ビート)、豆類の場合

  1. 野菜を収穫する際、種採り用の株を採らずに、畑に残しておきます。元気で、大き目の株を選びたかったらどうぞ。
    注意:上記のように、F1品種だと、次世代が育ちにくいことが多いので、F1品種でない、在来種などの放任受粉した野菜(open-pollinated)の種から育った野菜から種を採ることをお勧めします。どんな種からできたものかわからない場合は、少なくてもオーガニックのものを選びましょう。

  2. 野菜を成熟させ、花が咲くのを待ち、さらに成熟させます。アブラナ科の野菜の場合、さやができ、中に種ができます。さや(または株)が枯れてきたら、畑から株ごと抜き、雨の当たらない場所で乾燥させます。

    サラントロ(コリアンダー)の花


    パセリの花が種になろうとしているところ


    ほうれん草の花が種になろうとしているところ

    そら豆などの豆類は、写真のように黒い点々がでてくると、すでに食べるには硬すぎるので、来年の種用にそのまま成熟させるのがおすすめ。

  3. 完全に乾燥したさや株から切り離し、ボールなどの容器に入れ、手でさするようにして、さやをつぶします。目をつぶって(目をつぶらないと、目にホコリが入ります!)、息を吹きかけると、軽いさやは吹き飛び、ボールの中に種だけが残ります。

    からし菜の種が入っている、さや

  4. 種まきまで、冷暗所に保管します。

うちの畑では、このような方法で種採りをする場合と、前の年からのこぼれ種が勝手に畑に落ち、次の春に思わぬところから成長し始めるということも大量に起きています(笑)。特にケールや、水菜、マスタードグリーン、サラントロ(コリアンダー)、ルッコラなどは、ほとんど種を蒔かずに次の年に戻ってきます。パセリは多年草なので、自然播種だけでなく、次の年、同じ株からも戻ってきます。自己このような方法で復活した野菜たちはなんだか生命力も強いような気がします。

トマトやキュウリ(ウリ科)の場合

トマトやキュウリなども基本的には葉物も変わりませんが、種が果肉の中に入っていることから、もうワンステップ。食べていてこのトマトおいしい、また来年も食べたいという場合は、・・・

  1. (できれば完熟の)トマトから、種部分をすくい、種をザルの中で洗い、ペーパータオルや新聞紙などの上にに薄く延ばす。
  2. 種を延したペーパーを乾かします。

     

  3. 冷暗所に保管。次の年、種を蒔く時期がきたら、種ののったペーパーをちぎって、紙ごと土の中に植えます。驚くほど、ちゃんとトマトが出てきますよ。

    注意:キュウリの場合、キュウリが黄色くなるほど、完熟させることが重要です。

ニンニクの場合

ニンニクを植える際に使う種は、ご存じ、球状のニンニクをばらしたものです。ひとかけのニンニクを植えると、収穫するときには丸ごとに生まれ変わるなんて、なんか儲かった感じさえします(私だけ?)。・・・

  1. ニンニクから、一片の大きさが大きいものを選び、種として保存。
  2. 次の年にばらして植える。

種採りのひとつだけの難点は、種が成熟するまで苗や株を畑に残さないといけないので、畑のスペースをとること。それさえ管理できれば、一度やりだしたら絶対ハマる種採り、皆さんも是非、お試しください!

 

4 コメント
63

おすすめ記事

4 コメント

Avatar
川本 陽子 2020-07-14 - 1:04 pm

理想的な生活楽しそうですね。時間をかけて豊かな暮らし見習いたいです。

返信
Mariko Benson
Mariko Benson 2020-07-15 - 6:31 am

一緒に、楽しく地道にやっていきましょう!

返信
Avatar
Youko Kawamoto 2020-07-14 - 1:21 pm

素晴らしい生活スタイル御立派です❗️

返信
Mariko Benson
Mariko Benson 2020-07-15 - 6:33 am

コメント、ありがとうございます!

返信

コメントを書く