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休校も捨てたもんじゃない

by Mariko Benson

コロナウイルスの影響で、休校を余儀されなかった子どもたち。私の住むカナダでも、小学校の春休みは明けることもなく、3人の子どもたちが今でも自宅学習しています。

幸い私たち家族は、以前3年間ほどホームスクール(学校ではなく家庭に拠点を置いて学習を行うこと)をした経験があります。カナダでは、推計9万5千人にのぼる生徒がホームスクールをしていると言われていますから、そんなに珍しいものではありません。

そもそも、ここブリティッシュ・コロンビア州(カナダでは、細かい教育制度については、州政府により管轄されており、各州の教育省が教育水準を設定します)では、何年も前からある実験を行っています。

それは、幼稚園から九年生(日本の中学三年生)まで、通知表で点数をつけないことです。成績を数字で表すことは、子どものクリエイティビティ(創造力)を失わせ、競争心を煽り、ストレスを与え、失敗を恐れさせ、学習意欲を阻害するなどの悪影響を与えると、多くの専門家が懸念しているからです。

だからうちでは、学校に行くかどうかに関係なく、三つに焦点をあてた子育てを実施しています。

ひとつは、親と子のつながりを強めること。友達も大切ですが、小さいときは特に、親の無条件の愛情を見せつけてあげること。日本は以心伝心文化なんだから、口に出さなくてもいいと言い訳をせず、言葉と態度で表すこと。どんなことがあっても、親はいつも自分の味方なんだと感じてくれれば、子どももあなたも、安心。

2つ目は、自然の中でたくさん遊ぶこと。体験し、つながり、手で感じながらアートを作ること。正しく(?)危ないことをすること。冒険すること。6歳の娘が、学校の宿題で「あなたを幸せにすることは何ですか」という質問に、「ヘルシーエコシステム(健康な生態系)」と答えました。

そして3つ目は、日常生活の中で学ぶこと。子どもが家族の一員として責任をもって日々手伝うこと。大工仕事や庭仕事など、生きる技術を身につけること。

カナダには日本のような受験勉強がなく、だからそんなほのぼのしたことが言っていられると思われるかもしれません。しかし、次の時代を担っていく子どもたちの人生のゴールが、いい大学に入ることだけだったら、なにか寂しい気がしませんか。子どもの学びが、批判や非難によるものでなければ、子どもたちが自分について深く知るきっかけとなるでしょう。

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