Home ブログくらす コロナを”暮らしのリセット”のきっかけに

コロナを”暮らしのリセット”のきっかけに

by Mariko Benson

私の住むカナダは、新型コロナウイルス対策を早期から迅速に進めた国のひとつです。トルドー首相の外出自粛の呼びかけの約2週間後には、1日の感染者数がピーク時の3分の1になり、回復の兆し。5分ほどかかるオンライン手続きで支給される政府の補助金も手伝い、今後もしばらく外出自粛を続けていく予定です。

とはいっても、コミュニケーションをとらずには生きられない私たちにとって、自己隔離は簡単なことではありません。不便な毎日が続きますが、今ピンチをチャンスに変えるとしたら、どんなことが可能でしょうか。

私の提案は、今までの暮らしを一旦リセットし、見直すきっかけとすることです。余分な物を買ったり、外食に頼ったり、遠くまでレジャーに出かけたり、いわゆる悪いことをしているというわけではありませんが、私たちがこれまで普通だと思っていた生活が、大量のエネルギー消費の上に成り立っていることには変わりがありません。

私たちは、カナダの離島、ペンダー島というところに暮らしていますが、近所のブラウニングという港で数日前、約三十年ぶりにシャチが目撃されました。コロナの影響で船舶の航行が減り、これまで海洋生物に悪影響を及ぼしていた騒音が減ったからではないかと言われています。

島暮らしのため、普段からある程度の不便さには慣れているので、育てられるものは自分で育てたり、買うものは大きな量でまとめ買いするようにしています。たとえば、小麦粉は環境負荷の少ないオーガニックのものを、二十五キロの紙袋で購入します。さらには天然酵母を育て、小麦粉と塩と水を混ぜることで、美しいオーガニックの天然酵母パンが一斤百円ちょっとで作れます。プラスチックの小袋で小麦粉を購入するより包装資源は節約できますし、パンを買うより、ずっと安価です。

シンプルに生きるのと、豊かに生きることは、反対ではありません。私が焼くパンは、自分で言うのもなんですが、どのパン屋さんで買えるパンよりも何倍も美味しいです。コロナが終わった後も、以前と同じ生活を続けるか、または一度原点に戻って、より持続可能な生活を選ぶかは、私たち次第です。

0 コメント
63

おすすめ記事

コメントを書く